大学生×留学生 短編2.
俺のどこが好きなの、なんて突然コウイチが言い出した。俺はしばらく腕を組んで考えた。好きなところがありすぎるから。
黙っている俺を見て、コウイチが不機嫌そうな顔をした。
「もういいよ。」
「違うよ、たくさんありすぎて、どれから言おうか悩んでるんだよ。」
「嘘ばっかり。」
プイッと向こうを向いて、お茶を飲むコウイチの脇腹をつつくと、手を叩かれた。それでも負けじと肩を掴んでぐいと引き寄せると、コウイチの頭が俺の胸に埋まった。必死で俺から離れようとするコウイチの肩を強く抱きしめて、言う。
「優しいとこ。」
「優しくないし。」
「頼り甲斐のあるとこ。」
「そんなものない。」
「それから、」
髪を撫でてキスをすると、コウイチは少し驚いた様子で俺を見上げた。その唇に優しく触れて、額をくっつける。
「俺の事、好きなところ。」
好きじゃ、と言う言葉を飲み込んで、耳を赤く染めるコウイチ。可愛いなあ。
「お前にいつも、酷い事ばかりしてるのに。」
「俺は本当のコウイチって感じで、幸せだけどな。」
「…ドMが。」
そう言いながら、俺にキスをしてくれた。そのまま押し倒す形で床に寝そべった俺の首筋に、噛み付く。痛いけれど気持ちが良くて思わず喘ぐと、コウイチはニヤリと笑った。
可愛いコウイチも、格好良いコウイチも、どちらも俺だけのものなんだ。
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