短編1.
「やっ、カリーム、やだあっ、」
「サクラさんが悪いです。」
シャツのボタンを無理矢理開き、胸の突起に吸いつきながらカリームが言った。小さく膨らんだそこは、ピクピクと反応して勃ち上がる。
そう、俺が悪い。
元はと言えば、カリームの留守中に、寂しくなってカリームのシャツを肌に直接着て、匂いを嗅いでいた俺が悪い。だって、最近カリームは課題が詰まって帰りが遅かったし、夜も疲れてすぐに寝てしまうし。
別に、それで俺が抜いていた訳ではないけれど、カリームを肌で感じたくて、着ていた服を全て脱いで、カリームのシャツを羽織った。柔軟剤の匂いと、カリームの香り。それにうっとりしていると、タイミングの悪い事に、カリームが帰宅してしまい、その姿を見た途端に、今まで我慢していたのであろう欲情が爆発してしまったのだ。
「や、そんな、吸っちゃ駄目っ…♡」
「駄目、は良いの意味です。」
片方を舌で転がし、時折強く吸い付き、もう片方は空いている手でコリコリと捏ねる。ぎゅ、と摘まれると身体がびくりと跳ねた。
「ひっ、あ…んんっ♡」
「気持ちいいですか?」
俺の下腹部が反り返っていることに気付いたカリームは、するりと後ろの穴に指をあてがう。ずぷり、となんなく指を呑み込み、くぱ、と拡げられると奥がじんじんと切なくなった。
「き、もちいっ♡気持ちいいからあっ…♡早くっ♡」
カリームの大きなそれで、奥を突いてほしい。俺の良いところを、たくさん擦って、カリームで俺をいっぱいにして欲しい。
胸から口を離すと、カリームは俺の唇に舌を這わせた。それに応えるように、俺もカリームの唇を舐める。
キスが好き。カリームとのキスは、気持ちがよくて、理性が吹っ飛ぶくらいには好きだ。
「んっ♡」
「サクラさん、唇もこっちも、吸い付いて僕から離れません。」
いつの間にか増やされていた後孔に挿入されている指を、俺はきゅうきゅうと締め付けて離さない。
「やっ…わざわざ言うなよっ…!」
「すみません。可愛くて、つい。」
再びキスをしながら、カリームの股間が俺の腹に当たる。完全に勃っている。カリームも、ずっと我慢していたんだもんな。
カリームのそこに手を伸ばし、俺は跨るようにして自分から欲した。
「もう待てないっ…♡早くっ、」
挿入れて、と言う言葉を待つ間もなく、ずんっ、と奥を突き上げられる感覚。いきなりの圧迫感に、目の前がチカチカした。
「あっ♡いきなりっそんなっ♡」
ガツガツとまるで久しぶりに餌を得た獣のように、腰を激しく動かすカリーム。気持ち良すぎて涎が垂れてしまうが、それもぺろりと舐めてくれた。
「すみません。僕も余裕がありません…!」
「あっ…んっ…♡」
「サクラさんが可愛くて、僕は止まれません。」
「謝んなくていいっ…からあっ♡」
早く、早くカリームで、俺の中をいっぱいにしてほしい。カリームだけじゃない、俺だって、ずっと我慢していたんだから。
背中に腕を回して、カリームに抱きつき、腰に足を回して密着すると、さらに深いところをゴリ、ゴリ、と擦るように突かれる。
「気持ちいっ、そこっ♡きもちいっ♡」
「ここですね。」
そういうと、俺の良いところばかりを狙ってくる。
「あっ♡も、駄目っ、俺っ…♡」
腰の動きを早めるカリームは、耳元で、良いですよ、と優しく囁く。その言葉と同時に、俺は白濁の液を吐き出した。それに伴って締まった穴に反応して、カリームも俺の中で果てた。
余韻に浸りながらカリームに寄りかかっていると、耳をぺろりと舐められた。カリームの顔を見ると、すっかり雄の顔になっている。
「…もう一回?」
「良いですか?」
いいよ、と言う言葉は、カリームの唇に塞がれた。
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