13.S嬢と先輩の関係

 

 

 

桜君のことは、以前から知っていた。色が白くて、綺麗な黒髪。細くて小さな男の子。本人は地味なつもりだったのかもしれないけれど、その純朴そうな顔立ちは、意外と目立った。男女問わず、彼を「可愛い」と評したし、友人から「チェリー」と呼ばれて真っ赤になる彼は、大学生とは思えない愛らしさがあった。

彼と話す様になったのは、たまたま寄ったコンビニで、彼が働いていたから。背の高い、肌の黒い外国人と仲良くレジで話をしている姿を見て、あ、この2人はただならぬ関係だろうな、と私の勘が働いたし、それは間違いではなかった。

私は、高校生の頃に一時期短期留学をしていたので、英語が得意。桜君の目を盗んで、その外国人、カリーム君と話すと、桜君は彼の恋人であると知った。

これは大変興奮する話を聞いてしまったぞ、と私の中の腐女子心が擽られた。

私は、SMクラブで働いている。腐女子としての壮大な夢は、全ての男性のアナルを開発して、薔薇の花の咲く世界にする事。

身近にゲイのカップルがいたなんて、嬉しくて仕方なくて、しかし桜君はそうそう心を開いてくれないであろうから、カリーム君に色々聞いた。カリーム君は、桜君に相当惚れているらしく、可愛い、綺麗、と良く喋った。セックスの時はどうなのか、と一度話を振ったが、それはサクラさんに怒られてしまいます、でもサクラさんはとても可愛くて魅力的です、と惚気られた。

はぁー、深呼吸。やっぱり桜君は、基本そっち側なのね。天に感謝したい気分だった。

カリーム君と話しているうちに、桜君も何何、と話に入ってくる様になり、少しずつ仲良くなった。

3年生になり、たまたまゼミが同じになって、前よりも桜君と話す機会が増えた。

しかし、ある飲み会の日、一部で悪評のある浅沼先輩が、桜君に手を出そうとしている事に気付いた。

桜君には、カリーム君がいるのよ、余計な手出しするんじゃないわよ。私はカリーム君に直様連絡して、桜君を迎えにくる様に言った。

カリーム君に手を引かれて先に帰った桜君を見て、安心した。ふらふらの足取りだったので、恐らく薬を盛られたのだろうと思った。

何食わぬ顔で酒を飲んでいる浅沼先輩に、怒りがこみ上げてきた。この男は、いつも自分が優位に立ち、男女共に手玉に取ってきたのだろう。

だったらそのプライド、私が壊して差し上げるわ。

浅沼先輩に近寄って、酒に酔った振りをして身体に触れた。先輩は、満更でもなさそうな素振りで、私の肩を抱いた。

「宮本、酔ってるみたいだから、俺が送るよ。」

そう言われて、連れてこられたのは、案の定、ラブホ街。その内の一軒に、当たり前のように入る。

広いベッドに寝かされて、浅沼先輩は覆いかぶさるようにキスをしてきた。私はわざと照れ臭そうに、言った。

「私、こういうの、慣れてなくて...

「大丈夫だよ。優しくしてあげる。」

言いながら、服を脱がせていく。ブラのホックに手を掛け外されると、恥じらう様に胸を隠した。その様子に、先輩は興奮しているようで、自分の服もさっさと脱いだ。

そうしてお互い裸になって、キスと愛撫を繰り返す。私はこっそり、先輩のシャツを手に取った。唇に吸い付きながら、先輩の腕を上に持っていく。キスに夢中で気付かないのを良い事に、ベッドの柵に先輩の腕を縛り付けた。

唇を離し、私が舌舐めずりをすると、やっと状況に気付いた先輩は、驚いていた。

「は、な、何?!」

「せーんぱい浅沼先輩、知ってますか?男でも、中で感じる事が出来るって。」

先輩の太腿をつつーっと撫でながら、ローションを垂らして後ろの穴に指を一本、ずっ、と入れた。

「ひっ、」

恐らく今迄に無い感覚に、恐れ慄く先輩。奥まで突っ込み、ぐり、と曲げると、びくりと跳ねる身体。

「思ったより、感じやすいですね

ゆっくりと解しながら、2本、3本と指を増やしていく。中で暴れさせると、それに伴って先輩は身体をくねらせる。

「気持ち良いですか?」

「はっ、き、もち、よく、なんかっ、」

「嘘は駄目ですよ?こっちは正直に反応してますから。」

下半身のものは、すっかり勃ち上がっており、我慢汁が溢れている。時折、軽く射精する。どうやら浅沼先輩には、こちらの気があるようだ。

ローションを追加して、指を増やしていく。簡単に飲み込んでいき、初めてにしては、拳まで入りそうだ。

真っ赤になって喘いでいる先輩を見ていると、興奮してきた。一度、指を抜く。少し意地悪してみる事にする。

...な、んで...

涙目で、物欲しそうに私を見る。

「欲しかったら、ちゃんとお口で言わなきゃ駄目ですよ?僕を雌にしてください、って。」

「そんな、恥ずかしい事っ、」

「へぇ。」

穴の周りのヒダをゆっくりとなぞると、ひくひくと物欲しそうに震えた。

「じゃあ、御預けですねえ。」

「やっ...

「や、じゃないでしょ?先輩、これは散々人に手を出してきた報いですよ。私が責任持って、先輩に雌の快楽を教えてあげますから。」

浅沼先輩は、耳まで赤くして、小さな声で呟いた。

...てください、」

「んー?」

「お、れを、雌にしてくださいっ!」

「よく言えました

指を纏めて、一気に奥まで突き上げる。中でぐねぐねと動かすと、先輩は大きな声で喘ぎながら、跳ねたり仰け反ったりして、快楽に身を委ねる。

前立腺をごり、と引っ掻くと、途端に白濁の液を吐き出した。

先輩の唇に舌を絡めて、だらしなく開く口から溢れ出ている涎を舐めとった。

「先輩、まだまだ、これからですよ

私は鞄から、先輩のより2回り程大きいディルドを取り出した。

 

桜君に、浅沼先輩を反省させた事を報告すると、真っ赤になっていた。可愛い。桜君は、本当に可愛い。こんな純粋な子が、カリーム君に抱かれてよがっていると想像すると、ご飯3杯は食べられる。

校内の庭を歩いていると、向こうから浅沼先輩が友達と歩いて来た。すれ違い様にニヤリと笑うと、先輩はヒュッと喉を鳴らした。

これからは、桜君も平和な生活が送れる事だろう。

満足して、空を見上げた。あ、あの雲、男性器みたい。